あおもりの農林水産業を体感するバスツアー

 去る10月30日(金)、環境公共学会主催の「あおもりの農林水産業を体感するバスツアー」が三沢市や東北町で開催されたので、その様子をご紹介します。今回のバスツアーには県内各地から15名の応募がありましたが、数日前に2名キャンセルの連絡があり、最終的には13名の参加者となりました。

 これまで、平成24年度からあおもり農村整備広報委員会主催による「食と農を体感するバスツアー」や「世界かんがい施設遺産を巡るバスツアー」を実施してきましたが、環境公共学会主催で、本県農林水産部の公共事業関係課全ての取組を紹介するバスツアーは今回が初めてとなります。

 大型バスでJR七戸十和田駅を9時に出発した後、バスの中で「攻めの農林水産業」と「環境公共」の取組について説明し理解を深めていただいたうえで、それぞれの現場へ向かいました。なお、各現場では上北地域県民局の担当者等が説明を行いました。

 午前中は、農業農村整備事業におけるほ場整備の現場を見学です。土場川地区では、ほ場整備とはどんな事業で、どのような整備をするのか、また、ラムサール条約に登録されている仏沼に隣接した北三沢地区と八幡地区では、どのように環境に配慮して工事を実施したのかなどの説明がありました。

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ほ場整備の取組(土場川地区)

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ほ場整備の取組(北三沢・八幡地区)

 その後、日本一の生産量を誇る「ごぼう」の収穫体験をした後、三沢市漁業協同組合の漁民研修センターへ移動して昼食です。そこでは、青森県産の食材だけで作った「青森づくし弁当」が用意されていました。弁当の中身は、ホタテ、ホッキ貝、田子牛、八戸前沖サバ、ごぼう、海峡サーモン、リンゴ等が入っており、まさに青森づくしでした。みなさん、美味しい美味しいと言って食べていました。

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ごぼう収穫体験

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青森づくし弁当

 午後は、同会場で三沢地区水産流通基盤整備事業の沖防波堤の延伸工事など、災害に強い漁港づくりの取組について説明がありました。また、三沢市漁業協同組合からは、東日本大震災からの復興や「三沢昼いか」ブランド化の取組等について説明がありました。実は「青森づくし弁当」には、「三沢昼いか」もちゃんと入っていました。

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漁港の取組(三沢地区)

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三沢市漁業協同組合の取組

 当日は気温が低かったので、先に同会場で海岸防災林の取組について説明し、その後、現地を見学してもらいました。三沢市からおいらせ町に続く海岸防災林は、東日本大震災で130ha以上のクロイマツが消失したことから、各地で地元住民等が参加した復興植樹活動が行われ現在の姿になっているそうです。

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海岸防災林の取組(三沢市~おいらせ町)

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三沢市営牧場

 最後に三沢市営牧場に移動し、公共牧場の役割や草地畜産基盤整備事業の取組について説明がありました。説明の中で、青森県の農業産出額における畜産の占める割合が約3割で最も高かったことに皆驚いていました。また、普段は関係者以外立入禁止の場所なので、三沢市営牧場の見学は貴重な体験となったようです。

 その後、JR七戸十和田駅へ戻り、予定どおり16時に解散することができました。特にトラブルもなく、無事に実施できたのは良かったです。参加者の方々はとても満足した様子で、バス降車時に「また来年も参加したいです。」との声を頂きました。

 また、参加者全員に実施したアンケートでは、「青森県が頑張っていることを体感できた。」、「専門家の説明を聞けるのは良い機会だ。」、「今まで知らなかった事を見聞きして世界が広がりました。」、「大変勉強になりました。」などの意見が数多く寄せられました。

 環境公共学会では、一般県民の方々に「環境公共」や農林水産部の取組をPRするため、今後もバスツアーの企画を継続することとしています。今回は、「あおもりの農林水産業を体感するバスツアー」にご参加いただき、ありがとうございました。

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三沢市漁業協同組合にて記念撮影