さぐろう!沢田の水

 水土里ネット奥瀬堰では、8月31日に十和田市内の小学生を対象に、地域を流れる歴史ある農業用水路などについて施設見学会を実施しましたので、その様子を紹介します。
 
 場所は、十和田湖を源とする奥入瀬川が流れる旧十和田湖町の沢田地区です。
 この地域には、三本木原台地に水を引くために、約150年以上前に、新渡戸傳(にとべつとう)氏らが造った稲生川(いなおいがわ)など、歴史ある農業水利施設が数多く存在します。
 
 出発式の様子です。
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 こちらは、稲生川頭首工です。
 奥入瀬川左岸から分流しているのが人工河川「稲生川」です。
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 稲生川は、十和田市から太平洋岸まで約30km以上の長さを誇り、地域の田んぼを潤しているほか、生活用水や防火用水としても利用されています。
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 子どもたちは、稲生川の規模や役割にとても驚いていた様子でした。
 
 ちなみに、稲生川は、農林水産省が平成17年度に実施した「疏水百選」では、全国第一位に輝くなど、地域の生活に密着し、地域住民から愛される水路となっています。
 
 当日は、施設見学のほか、子どもたちに地域の農業用水の水質を調べてもらうこととしました。
 採水の様子です。
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 ここ沢田地区は、清らかな流れで有名な「奥入瀬渓流」の近くということもあり、奥入瀬川から取水した農業用水は、非常に透明度が高く保たれています。
 
 さて、稲生川頭首工のすぐ近くには、豊かな水辺を生かした、「法量(ほうりょう)農村公園」があります。
 この農村公園は、青森県の地域用水環境整備事業で整備されたもので、地域の方々の憩いの場として利用されているほか、稲生川を造った当時の「じょれん」や「つる」などの道具を象ったレリーフが飾られています。
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 子どもたちには、このレリーフが新鮮に映ったようで、興味深げに覗いておりました。
 測量用望遠鏡のモニュメントです。
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 見えるかな?
 
 こちらは測量用器具のレリーフです。
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 さて、こちらは、沢田地区の農業集落排水処理場での様子です。
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 農村地域の家庭からの生活雑排水のみならず、小学校の排水まで処理し、水を再び川へ流していることを聞いた子どもたちは、一様に驚いた様子でした。
 とても良い勉強になったようです。
 
 こちらは、水土里ネット奥瀬堰が管理する、奥瀬堰頭首工です。
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 この奥瀬堰頭首工を始めとした幹線用水路なども歴史が古く、約10年程前に地域の方々の力を結集して造られたとのことです。
 奥瀬堰幹線用水路は、総延長約10km程の水路ですが、途中2箇所のトンネルがあり、その延長は約2kmにもなります。
 
 こちらは田茂木沈砂池での様子です。
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 川から取った水には、砂が多く含まれていることから、水路に流す前に、この池で一旦流れを緩やかにし、砂を沈めることを目的に造られました。
 先人たちの知恵です。
 
 地域の農業水利施設を見学した子どもたちは、学校に戻り、先ほど採取した地域の水の水質を検査しました。
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 先生の注意をよく聞きながら、パックテストを使い、水中の有機汚濁物質を検査しました。
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 検査は子どもたちがそれぞれ行いましたが、結果は、皆、“非常に汚れが少ない”との結果でした。
 最後に感想を聞かれた子どもたちからは、「地域の水が、これほどきれいだとは思わなかった」、「川の水がきれいでびっくりした」との感想がありました。
 きれいな水は、いつまでも大切にしなくてはいけませんね。
 
 さて、当日は、「環境公共学会」の世永会長も子どもたちに同行しました。
 見学会の途中、世永会長から、「水循環」と「環境公共」について、紙芝居を使った説明がありました。
 青空のもと、お勉強会です。
 説明の様子です。
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 皆、世永会長の説明を熱心に聞いております。
 世永会長も、子どもたちに分かりやすいようにと、一生懸命に説明しております。
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 熱心に説明してくださった世永会長でした。ありがとうございました。
 
 
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