田子町の和平地区(和平高原開発農場)では、草地畜産基盤整備事業(R2~R6)を活用し、草地面積168haのうち25.4haを整備中です。
令和4年6月下旬、牧草収穫作業が始まりました。牧草の収穫は年に2、3回行われますが、初夏を迎えたこの季節は、1年のうちで牧草が最も多く収穫される時期となります。梅雨の時期でもあるため、天気の状況を見計らいながら、複数のトラクターと収穫調製機械を用いて、刈取り・反転・集草・梱包の作業を共同で効率良く実施し、良質な乾草を確保していきます。
良質な乾草は、冬期間における牛の主要な餌であり、健康で元気な牛を育てる源となります。収穫作業中に雨に当たってしまうと、せっかくの牧草の栄養分が流れ出てしまうので、雨が降らない3日間程度を見極め、連携して手際よく作業を完了させることが作業者の腕の見せどころです。
牧草は再生力が強く、刈取りや放牧の後に雑草よりも早く生育するので、草地を適切に利用することが、草地を良好な状態に保つことに繋がっています。
本地区では、事業を活用してより安全に作業ができるような草地を整備するほか、効率的な放牧ができるよう牧区の再編を実施しているところです。
このような取組によって、本地区では、豊かな自然の中で放牧や採草を通じて健康で元気な牛が育てられるとともに、適切な草地管理によって山あいの牧場の景観が保全され、癒やしの場にもなっています。
牧草の収穫作業をしている山の牧場を車で通りかかった際は、車から降りて深呼吸をしてみてください。きっと、さわやかな牧草の香りに気が付くことと思います。