~来たるべき春に向けて~(牧場からの冬の便り)

 つがる市では、屏風山地区・牛潟地区において草地畜産基盤整備事業(平成29年度~令和3年度)による公共牧場の整備が進められていることは、前回の環境公共学会のブログ(2020-11-26掲載)でも御紹介しました。

 今回は、普段あまり訪れる機会のない冬の牧場の様子と、現在建設が進められている施設についてご紹介していきます。

 1月某日、屏風山牧野を訪れました。かろうじて牧草地を囲う牧柵と牛の追い込み施設が前回記事を掲載した3ヶ月前の面影を感じさせますが、周辺の観測地点での積雪量は60㎝を超えており、この時期としては過去5年間で最も多い積雪でした。

 冬期間は、牧場には牛はいませんが、放牧時期と同様につがる市から牧場の管理・運営を任されているつがる市屏風山畜産組合の職員が出勤しています。

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【冬の牧場風景】

(放牧地【写真左】では、雪の重さで電気牧柵が倒れないよう、ワイヤーが全て外されている。牛の追い込み柵【写真右】は雪に埋もれている。)

 冬期間に行う仕事は様々あります。まず第一に「農機具等のメンテナンス」です。トラクターをはじめ、牧草生産に関わる各種農機具を中心に、牧場で使用するあらゆる機械を点検整備します。機械を使用しないこの時期にしかできない最も重要な仕事の一つです。

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【冬の牧場作業風景】

(放牧地で牛を追いかけるバイク【写真左】や草刈り機【写真右】などの点検整備も行います。)

  また、来年度の牧場の適正な管理・運営に向けて、収支計画を立てたり、利用農家さんと打合せを行う大事な時期でもあります。特に現在建築中で来冬から稼働予定の冬期預託施設(繁殖雌牛飼養規模:100頭)の運用については、配合飼料の入手先や施設管理に携わる労働力確保について、検討することとしています。

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【冬期預託施設(1月中旬)】

(現在は内部の各種設備工事が行われている。3月末完成予定。)

 この冬期預託施設の稼働により、つがる市の公共牧場は季節を問わず牛を預けられる『周年預託牧場』として生まれ変わるわけですが、この新たな取組を軌道に乗せるためには、これまで以上に地域の肉用牛振興に不可欠な公共牧場として要望に応えられるよう、飼養管理全般や衛生対策をはじめとした技術支援や畜産関係機関の更なる連携により、利用農家及び預託頭数の増加が図られるよう支援していく必要があります。