山川海をつなぐ水循環体験学習が開催されました

 県民の皆様へ水循環という観点から環境公共を知ってもらうために、平成30年7月1日(日)、八戸市内の山から海までを巡るバスツアーを開催しました。

本イベントは、山から川を経て海へとつながる水の流れにそって移動していきます。まずは山(ダム)からスタートします。
●第一の目的地:世増ダム 
 平成10年から15年の6年間をかけて建設された世増ダム。
 大きなダムが水を蓄え、農業用水や水道に利用されていることや水害の抑止力になっていることを学びました。
 説明を聞いた後は、参加者の皆さんは青葉湖を望める堤体の上を歩きました。ダムの大きさを実感できたのではないでしょうか?
 近くの揚水機場では、現在はダム湖がある場所にかつて存在していた集落のジオラマを見学しました。
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農作業に使われる水はダムから吐水槽(かんがい用の配水槽)へと運ばれます。
●第二の目的地:巻の下吐水槽 
 ダムより高い位置にある吐水槽まで水を運ぶためにポンプで揚水していること、時にはダウジングで配水パイプを探しているなど、参加者の皆さんは、ダムから水を配るための苦労に感心していました。
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山、川を巡った水は、海へと流れ着きます。
●第三の目的地:種差漁港 
 山からの栄養分が流れ込んだ海では、活気のある漁業が行われます。
 種差漁港では港から近い場所での漁が盛んで、今の時期はウニ漁が盛んです。
 ここでは、南浜漁協の方に指導してもらいながら、旬であるウニの殻むき体験をしました。
 なかなか出来ない体験のためか、皆さん興味津々で、夢中で作業していました。
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 山・川・海へと流れ着いた水循環の旅は、剥きたての新鮮なウニと一緒に、楽しいランチタイムです。
 海にたどり着いた水は、やがて雲になり、また山へと戻っていきます。
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●第四の目的地:朝もやの館
 ここでは三八県民局林業振興課から「森林の役割」について、お話がありました。
 森林は水を蓄えてくれる役割があり「緑のダム」とも呼ばれますが、全く手入れをしないと樹木の成長が出来ず、この役割が弱まってしまうため、木を切って森林を整備しています。
 切った木(間伐材)がどのように利用されているか教えてもらったあとは、実際に間伐材で丸太切り体験を行いました。
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 最後は、一日を振り返りながら「環境公共」についてお勉強。
 今回のイベントでは見学できなかった、田んぼや水路といった農林水産業を支える生産基盤や集落排水施設などの農山漁村の生活環境の整備などについても学習しました。
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 農林水産業を支えることは、地域の環境を守ることにつながるとの考えのもと、青森県ではその基盤づくりのための公共事業を“環境公共”と位置付け推進しています。
 これをきっかけとした各地域での植栽活動等の共同活動によってかけがえのない地域資源を将来に引継ぐことを目指しています。
 小さなことからコツコツと。環境公共に共感する仲間が増えるといいですね!

 最後に、八戸合同庁舎へ戻り、一日の行程が終了となりました。
 参加者の皆様、ありがとうございました。そして、お疲れ様でした!

環境公共学会のHPはこちら
http://www.npo-afs.jp/kankyokoukyo-gakkai/