環境公共推進プロジェクト「山川海をつなぐ水循環体験学習」が開催されました

青森県では、平成20年度から、地域住民との協働により、農業と自然の共存を図りながら農林水産業の基盤づくりを進める「環境公共」に取り組んでおり、各地域において、ビオトープづくりや水路沿いの植樹活動、子供たちを対象にした環境学習(田植え、稲刈り)や稚魚放流など様々な取組が行われています。

今年度は、農山漁村での様々な体験を通して、青森の豊かな農林水産物を育む生産基盤が地域の人の手によって守られ、次の世代に引き継がれていることへの理解を深めてもらうため、環境公共に関する体験イベントをこれまでに2回開催しました。

今回は、7月2日(日)に八戸市で開催された「山川海をつなぐ水循環体験学習」の様子を紹介します。

まずは、八戸合同庁舎に集合した八戸市内の小学生等19名とその保護者14名と一緒にバスに乗り込み、最初の目的地である世増(よまさり)ダムへと向かいました。

ここでは、北奥羽土地改良調査管理事務所の方から、世増ダムには洪水を調節する機能があることや、ダム湖にたまった水を水道水や農業用水に利用していることなど、世増ダムの役割や配水方法について説明していただきました。

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     【パネルを使ってダムの役割を説明しています】


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               【記念撮影】

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   【揚水機場では、集落のジオラマも見学しました】

続いて、国営事業で造成した畑に移動して、地域の農業をクイズ形式で紹介したほか、畑地かんがい機器の利用方法やかんがいの効果などを同事務所の担当者から説明していただきました。

世増ダムから配水された水をかんがいすることで、ネギの収量が安定して、品質がよくなるそうです。

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       【三八地域の農業について学習中】

また、自走式散水機が畝の間を移動しながら散水する様子も見学し、参加者はスプリンクラーから水が勢いよく出る様子を見て、歓声を上げていました。

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            【自走式散水機の実演】

次に訪れたのは深久保漁港です。
ここでは、八戸市南浜漁協の御協力のもと、手のひらサイズの大きなウニを使って、殻むき体験を行いました。

初めて殻付きのウニを触ったという参加者も多かったようですが、皆さん、慣れない器具に四苦八苦しながらも、楽しそうに作業をしていました。

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        【手のひらサイズの大きいウニ】

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              【殻むき体験】

続いて、島森田園空間博物館の「舘のやかた」に移動しました。
この施設は、島守盆地地区田園空間整備事業により地元の古民家を移築したもので、普段はイベントや休憩所として利用されています。

今回は、こちらの施設で森林学習と木工細工体験を行いました。
ここでは、三八県民局の林業振興課の担当者の方から、森林の役割を説明していただき、そのあと、間伐材を使った木工細工体験を行いました。

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           【森林の役割を説明】


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             【木工細工体験】

木工細工体験の後は、島守田園空間博物館内を散策しながら、「朝もやの館」を目指しました。

途中、虚空蔵(こくぞう)吊り橋や水車小屋、ホタル水路などの前では、島守田園空間博物館運営協議会の方から施設の概要や地区の歴史などを解説していただきました。

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             【虚空蔵吊り橋】

最後は「朝もやの館」で「環境公共」について学習しました。
地場の資源や技術を使いながら、森林の手入れや農地、水路の整備、豊かな海づくりなどを地域の人たちが一緒行うことで、健全な水循環が守られます。

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              【環境公共学習】

農林水産業に関する施設を巡りながら、農山漁村での各種体験を行うことで、健全な水循環を守ることの大切さを学ぶことができたのではないでしょうか。

炎天下でのイベントとなりましたが、参加した皆さま、そして、御協力いただいた関係各所の皆さま、本当にお疲れさまでした。

なお、次回は7月23日に行われた「農業と漁業の資源循環体験学習」の様子を紹介します。


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