「西北管内環境公共合同先進地研修」について

平成28年1115日に行われた「西北管内環境公共合同先進地研修」について紹介します。

この研修は、西北管内で環境公共活動に取り組んでいる協議会を対象に、津軽地方で環境や地域資源保護などへの先進的な取組を実践している地区を見学して、今後の地域活動の参考とするために行ったもので、今年は10協議会から19名が参加しました。

最初に向かったのは、つがる市木造の出来島地区にある「大堤ため池」です。この地域には雨水や融雪水を水源としたため池が多く、古くから地域の農業に利用され、地域の方たちによって大切に管理されてきました。また、これらのため池には、きれいな水にしか生息しない「ジュンサイ」が自生しているため、本地区ではこのジュンサイを核とした「出来島ジュンサイ振興プロジェクト」を立ち上げ、ため池の保全・管理をとおして地域環境の保全・再生を目指す取組を進めています。

また、地域の子供を対象とした体験学習会や地引網による外来種の駆除など、環境教育の場としても活用されています。

イメージ 1













  【屏風山広域農道脇のこの看板が目印です】

出来島ジュンサイ振興プロジェクトの担当者の方の話によると、今年は雨が少なかったため、ジュンサイの生育に適した7080mの水深が確保できず、ほとんど収穫できなかったそうですが、例年、収穫したジュンサイは地域の加工施設で袋詰めして農産物直売所などで販売しています。
市場価格の半分程度で販売するので、店頭に並ぶとすぐに売れてしまうほど好評を得ているとのことです。

イメージ 2













    【大堤ため池での見学の様子】

次に藤崎町にある農産物直売所「食彩ときわ館」で小休憩しました。この施設では、藤崎町常盤地区で生産され、その日の朝に収穫したとれたての農産物を農家の方が持ち寄って販売しています。常盤地区で生産された「なまず米」も販売されていました。

イメージ 3













【売り場には地域の特産品であるにんにくや卵が並べられていました】

イメージ 4













なまず米(H28産つがるロマン)3合入り】

次は、藤崎町の徳下集落農業活性化協議会の活動を見学しました。この協議会は平成13年度から町やJA、地域の販売会社などと連携して有機栽培を行ってきましたが、県営福島徳下地区ほ場整備事業(H23~H28)を契機に、「生態系に配慮した農業経営」に取り組み、その保全活動のイメージキャラクターである「鯰(ナマズ)」を核とした「なまず米」を生産しました。

今回は実際に現地も見学させていただきましたが、本地区ではナマズや水路に棲む生き物たちが水田と排水路とを行き来できるような「魚道」や、ナマズや水路に棲む生き物たちの生息場所となる「ビオトープ」が整備されています。


イメージ 5













ナマズや水辺の生き物たちが行き来するための魚道】

ビオトープは、田植えから収穫までの農作業体験、水辺に暮らす生き物の調査及び野鳥の観察会など、地域の子供会や学校と連携した体験学習の場として広く活用され、地域の活性化にも非常に大きな役割を果たしているそうです。

イメージ 6













【県営福島徳下地区ほ場整備事業で整備されたビオトープ

また、休憩用のベンチやビオトープのモニュメントなども設置されており、地域の憩いの場にもなっているようでした。

今回の研修では、同じ津軽地方で先進的な取組を行っている団体の皆さんにご協力いただき、実際に活動されている現地を見学しながら、これまでの取組や現在の活動状況、将来の展望などを教えていただきました。参加された皆さんは、地域資源の有効活用や外部団体との連携など、今後の活動展開に大いに参考となったことと思います。

今回の研修にご協力いただいた皆さん、また研修に参加された皆さん、ありがとうございました。

参考出来島ジュンサイ振興プロジェクト(NPO法人あおもりふるさと再生機構HP
http://www.npo-afs.jp/jyunsai_project.html
 

食彩ときわ館(藤崎町観光情報サイト「ふじさんぽ」)

http://www.fujisaki-kanko.jp/touristfacilities/tokiwakan.html


環境公共学会のHPはこちら


環境公共学会のフェイスブックはこちら