今回は、ほ場整備事業が行われている福島徳下地区(藤崎町)の取組について紹介します。
【福島徳下地区の環境保全の取組】
本地区では、かつて多くのナマズが十川から遡上し、水田で産卵していました。
しかし、河川と水田を結ぶ幹線排水路が整備されたことにより、水田との段差が大きくなり、その数は少なくなっていました。
そのため、ナマズの棲む環境を取り戻したいという徳下集落農業活性化協議会の意向を受けて、ナマズの専門家を入れた話し合いを行いながら、水田の区画整理とあわせて、隣接する残地に魚道とビオトープを整備しました。
また、ビオトープに隣接した小さな水田は学習田として、常盤小学校と連携しながら環境教育に活用しています。協議会では、学習田で作っているお米を「なまず米」と名付け、生態系の保全に配慮した、有機栽培による安全・安心なお米として販売し、この「なまず米」のブランド化等を通じて、環境保全や地域活性化の取組を継続させていきたいと考えています。
【なまず米の収穫体験】
山内会長の挨拶のあと、早速、稲刈りが始まりました。子供たちは、稲刈りカマを手にして、田のぬかるみに足を取られ大変そうでしたが、それでも元気よく楽しそうに稲刈りをしました。
【稲刈りの様子】
刈り取った稲は、機械乾燥ではなく、昔ながらの手法で、木の棒にかけて自然乾燥させます。
【棒かけ中】
約1時間ほどかけて、すべての稲が刈り終わりました。自分たちで植えた稲を収穫するという体験を通して、農業に親しみをもってもらえたのではないでしょうか。
稲刈りの後は、ビオトープの生き物調査と、野鳥の観察会を行いました。
子供たちは、自分たちの住んでいる近くの田んぼに、いろんな魚や昆虫、鳥などが生息していることを知ってとても興奮しているようでした。
【ビオトープで生き物調査】
【野鳥を観察】
協議会では、今回刈り取った「なまず米」を10月中旬に「食彩ときわ館(藤崎町)」で販売するそうです。
米袋には、シンボルマークであるナマズのイラストが入ったシールが貼ってあり、訪れた人の目を引くようなデザインになっています。このなまず米はとても人気があり、すぐに売れ切れてしまうそうなので、興味のある方はお早目にどうぞ。
今回の体験を通じて、稲刈りに参加した子供たちは環境を保全する取組の大切さを勉強してくれたようでした。
また、地元の農業者等で構成される協議会と小学生が交流する姿からは、学習田が地域の活性化の場になっていることも実感しました。
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