平成28年8月11日につがる市で開催された「ふくはらの水循環を学ぶ旅」について紹介します。
「水循環を学ぶ旅」は、地域の生きもの調査や施設見学を通して環境の大切さや土地改良施設が地域に果たしている役割などを学ぶことを目的として、岩木川左岸3期地区環境公共推進協議会が平成20年から開催しているイベントで、今年は福原集落周辺から日本海へ至るまでの水の流れを巡る旅を行いました。
最初に、福原地域の水田の排水が流れる妙堂川排水路に設置された「平野揚排水機場」に向
かいました。
川から吸い上げられた水はいろいろな場所で枝分かれし、津軽地方の田んぼを潤した後にまた川へ戻されるサイクルを何度も繰り返し、最終的に十三湖を経て日本海へ流れます。平野揚排水機場はそのサイクルの中の「田んぼからの水を川へ戻す」作業と「川から水を吸い上げて田んぼを潤す」作業の2つを行っている施設です。
参加者は「田んぼからの水を川へ戻すことができないと、つがる市一帯が洪水になる」との
説明にとても驚いていました。
【平野揚水機場の役割や水の大切さを学びます】
次に向かったのは、「呑龍岳(どんりゅうだけ)展望台」です。あまり有名ではありませんが、晴天にも恵まれて岩木川や山田川、十三湖から日本海が一望できました。「こんなところがあるんだ!」「水の流れがよくわかるよ!」と大変好評でした(松の木が少し邪魔でしたが…)。
ここまでの旅で、川から十三湖・日本海へ至る「水の流れ」を見ることができました。
次は「水の大切さ」を学ぶため、つがる市稲垣町にある「フォーラム稲西わの学校」へ向かいました。
エコフィッシュとは、精米する際に発生する籾殻を400度以下の低音で燻(いぶ)し、 炭化させた籾殻燻炭(もみがらくんたん)と呼ばれるものを稲わらで包んだ手作りの水質浄化装置のことです。その形が魚に似ていることから「エコフィッシュ」と呼ばれています。
【藁の会のみなさんに御指導いただきながら稲わらを束ねていきます】
稲わらを束ねたり折り曲げたりして、端と端を結んだら、次に籾殻薫炭をその中に詰め込みます。これでエコフィッシュの完成です。
*ちなみに、籾殻薫炭のかわりに蒸した大豆を入れたものが【わら納豆】になります(^_^)
【籾殻燻炭を稲わらに詰め込んでエコフィッシュの完成です】
出来上がったエコフィッシュを設置するため、福原集落から北へ1kmほどにある吉見揚水機場の用水路へ移動します。
まずは、設置する用水路の水質を確認するため、簡易キットでpH(酸性か、アルカリ性かを測る)とCOD(水の汚れと反応する酸素量を測る)を調べてみました。pHは7.0~7.5の中性で問題ありませんでしたが、CODは7ppm以上あり、あまりきれいな水質ではありませんでした。
夏の渇水時期だったということも、水質に影響を与えた一因と考えられます。
【簡易キットで水質を調べています】
【みんなでエコフィッシュを設置しました】
最後に、水路を流れる水が綺麗になるよう願いを込め、みんなで作ったエコフィッシュを設置しました。
暑い中御協力いただいた稲垣「藁の会」のみなさん、ありがとうございました。
○稲垣「藁(わら)の会」HPはこちら
http://www.r20.7-dj.com/~knagase/
○呑龍岳展望台について詳しく知りたい場合はこちら
http://www.aptinet.jp/Detail_display_00002762.html
(青森県観光情報サイト アプティネットへリンク)
○環境公共学会のHPはこちら
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