平成27年6月16日、22日に小田川土地改良区が五所川原市立いずみ小学校4年生32名、金木小学校4年生47名を対象に実施した、「田んぼの水はどこから来てどこへ?五所川原市立いずみ小学校、金木小学校『水の旅』」について紹介します。
「水の旅」は、小田川土地改良区が地域の小学生を対象に、土地改良区と農業水利施設の役割を知ってもらい、普段目にしている田んぼの水はどこからきてどこへ流れていくのかを現地を巡って学習するものです。
小田川土地改良区内の中央管理所、藤枝ため池、尻無(しなし)揚水機場の順にバスで見学
しました。
【出発式の様子】 金木小学校 6月22日
はじめに小田川ダムに向かいました。田んぼの水のはじまりは雨水です。
雨の量はその年によって多いときもあれば少ないときもあります。
ダムで水を貯めておかないと必要なとき必要な量の水を田んぼへ送ることができなくなる
ため、ダムには降った雨水を貯めて、下流にある田んぼへ必要な分の水を供給する役割が
あります。
子供たちには、ダムを貯金箱に、水をお金に例えて「皆さんも、欲しいものがあるときは、
いつまでにいくら貯めるぞ!と計画を立ててお金を使いますよね。それと同じですよ」と
説明したところ、納得した様子でした。
【小田川ダムの役割を説明】 6月22日
【小田川ダム管理室にて】 6月22日
次はダムから少し下流の「水源の森」で、森林の持つ機能について学びました。
森林には地球温暖化を抑える機能、大雨による災害を防止する機能など様々な機能があり
ます。ここでは、津軽森林管理署金木支所の方が、じょうろと土の入ったプラスチック容器
を使って、森林の機能がよく分かる実験を見せてくれました。
児童たちにも、水を蓄え、土砂災害を防止する森林の重要性が伝わったようです。
【水源の森 じょうろで実験】 金木小学校 6月22日
次に、農業水利施設を管理している小田川土地改良区内の中央管理所に行きました。
室内には巨大な機械とモニターがあり、遠く離れた場所にある各施設を、一括管理できる
ようになっています。温度が高くなると機械が動かなくなり、管理ができなくなるため、
室内は冷房が効いており、肌寒いくらいでした。児童たちに、モニターで施設に問題がない
か監視してもらったところ、「ここさっき行ったところ?」「誰かいる~」など、夢中に
なっており、しっかり施設の監視ができていたようです。
【管理所内で農業水利施設の管理】 いずみ小学校 6月16日
次は、藤枝ため池(芦野湖)です。ため池の機能はダムと似ていて、必要なときに田んぼに
水を供給する役割があります。
藤枝ため池は300年ほど前に造られた人工池で、江戸時代から五所川原の田んぼに水を供給
し続けています。
藤枝ため池には管理用の橋「芦野夢の浮橋」があります。このため池は年間水位差が4mにも
なるため、この橋も水位によって高さが上下する仕組みになっています。
水の上に浮いている橋の上を歩くと、ふわふわと揺れるため、児童たちは恐る恐る渡っていました。
ここでは、ため池に関連して「環境公共」の取組についても説明しました。
【浮橋上でため池と環境公共について説明】 金木小学校 6月22日
6月16日は見学会の最後に五所川原市の旧十川沿いにある「尻無(しなし)揚水機場」に
行きました。
まず、児童たちに水はどう流れるのかを聞いてみたところ、「高いところから低いところへ
流れる」と元気に答えてくれました。
では、低い場所から高い場所に水を送りたい場合にはどうするのか?
「揚水機場」の出番です。
尻無揚水機場では低い場所(旧十川)から高い場所(ため池や田んぼ)に水を送るため、巨大なポンプで川から水をくみ上げ、土の中に埋めた大きな管によって、ため池や水田に水を送り出しています。
広大な農地に水を送るには巨大なポンプが必要で、機場内のポンプの大きさや、ポンプを使って遠くまで水を送り出していることに児童たちはとても驚いていました。
【尻無揚水機場 巨大なポンプ】 いずみ小学校 6月16日
今回の水の旅では、参加した児童たちは、様々な施設を見学し、水の大切さや土地改良区の
役割、また身近にあるため池や水路について勉強してくれたようです。
皆さん、お疲れ様でした。
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