地域資源を活かした ひと・むら・しせつづくり後編
水土里ネット青森による環境公共の取組の続編です。
地域の方々自らの手で間伐材を有効活用して、生態系と景観に配慮した水路を造ることを提案した水土里ネット青森は、その実施に向けて水路の整備手法を検討し、地域の様々な組織の協力を得ました。
この水路は元々土水路で、大雨の度に崩壊するなどの課題があったことから、洪水時でも安定的に水を流すことが必要とされ、また、地域の方々から要望があった、生態系や景観の保全を考慮して設計されました。
いよいよ地域の各組織の方々が自らの手で地域の水路を整備する作業が始まりました。
作業にあたるのは、事前の作業説明について内容を理解し、自ら作業を申し出た9名の精鋭たちです。決して体力が溢れた方たちではなく、人数も多くはありません。
杭打ちや丸太の配置作業、土砂の運搬、全てが人力による手作業です。
現在、こうした土木工事は、ほぼ全て機械化されていますが、全てを人力で行うことは、大変な苦労であったと思います。
地域の方々による水路づくりは8日間にわたって行われ、延長100mの手作り水路が完成しました。
工事前の様子です。
こちらが完成後の様子です。
水路は、現況の位置にそのまま配置され、緩やかなカーブと木材が持つ暖かみが、やさしい雰囲気を醸し出しています。
作業にあたった方々からは、次のような意見がありました。
「水路に愛着がわき、親しみを感じる」
「これから維持管理をしっかりやって、魚を増やしていきたい」
「間伐材を利用して山が守られた」
「残りの部分もやっていこう」
「作業が非常に楽しかった」
「集落外の人にも見せたい」
「次世代に残したい」
「ホタルを生息させたい」
この他にもまだまだ意見はありましたが、地域住民参加による水路づくりは地域の活性化や、水路の維持管理への体制づくりに一定の成果を残したと言えるでしょう。
水土里ネット青森では、地域から更に水路を整備したいとの要望を受け、今年も水路づくりを行うことを決めました。
田んぼの作業が終わる10月以降に、また作業を始める予定です。
また、お知らせします。
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