環境公共推進プロジェクト「おいらせ川と高さのヒミツ」

平成30年9月22日(土)、上北地域県民局地域農林水産部主催のバスツアー「おいらせ川と高さのヒミツ」が開催されました。
このイベントは、地元の小学生に奥入瀬川の農業用水としての利用と、農業と畜産業とのつながりについて学んでもらい、環境公共への理解を深めてもらうことを目的としています。
当日は十和田市内の小学生とその保護者約30名が参加しました。

イメージ 1
【最初に記念撮影】

今回の舞台は十和田市(旧十和田湖町)の漆畑地区です。
バスに乗り込んだ一行は、まず始めに漆畑地区の水田と、当地区へ水を灌漑している「焼山取入口」の見学に向かいました。
ここでは、奥入瀬川と漆畑地区の水田の「高さ」(標高)に着目しながら、農業における水の大切さや川から農業用水を引くための苦労について学びます。
この「高さ」が、タイトル「おいらせ川と高さのヒミツ」の由来です。

イメージ 2
【バス車内の様子】

焼山取入口では、奥入瀬川から用水路へ取水するしくみについて学びました。
漆畑地区(標高約170m)へ水を運ぶためには、そこよりも標高の高い地点から取水しなければなりません。そのため、漆畑地区から上流側にある焼山取入口(標高約190m)から取水し、約10kmの水路によって漆畑地区へ水を運んでいます。
参加者の皆さんは、終始興味深そうに説明を聞いていました。

イメージ 3
【焼山取水口】

次は、「漆畑畜産」で農業と畜産業のつながりについて学びます。
ここでは、畜舎の見学と牛への餌やり体験を行いました。
「漆畑畜産」は、漆畑地区やその周辺で黒毛和牛と日本短角牛の飼育を行っており、地区の水田で生産した飼料用米を餌の一部として使用しています。
畜舎内では、牛への伝染病の予防のため参加者の皆さんやスタッフ、取材に来ていた記者の方も全員防護服を着て見学しました。

イメージ 4
【餌やり体験】

また、当日は雨で飼料用米や牧草の収穫風景を見ることができなかったため、特別にほ場で使用する機械を見学させてもらいました。
刈り取られた牧草を拡散・反転させ、効率良く乾燥させることのできる「テッダー」という機械は、なんと横幅が10m以上もあります。
この規模の機械は青森県内でもなかなか見られないそうで、参加者の皆さんはその大きさに驚きながら、写真や動画を撮影していました。

イメージ 5
【テッダー】

漆畑畜産の後は、いよいよ楽しみにしていたお昼ご飯の時間です。
お昼は漆畑畜産の牛肉を提供している牛楽館にて、短角牛の試食学習を行いました。
店長さんに短角牛について丁寧に説明してもらい、普段食べている牛肉との違いを学習しました。

イメージ 6
十和田湖和牛の試食体験】

お昼の後は、最後に三本木小水力発電所を見学しました。
発電所を管理している稲生川土地改良区の職員の皆さんに、発電のしくみ等について詳しく説明してもらいました。

イメージ 7
【三本木小水力発電所】

発電のしくみだけでなく、土地改良区の仕事や役割についても教えていただき、農業用施設の維持管理の大変さについて知ることができました。
今回のツアーを終えて、参加者の方からは「川や施設の役割が再発見できた」「米作りと畜産がこのようにつながっているとは知らなかった」などの意見があり、たくさんのことを学ぶことができたようでした。

参加者の皆さん、スタッフの皆さんお疲れさまでした。