「なまず米」の収穫体験

今回は、ほ場整備事業が行われている福島徳下地区(藤崎町)の取組について紹介します。
 
【福島徳下地区の環境保全の取組】
本地区では、かつて多くのナマズが十川から遡上し、水田で産卵していました。
しかし、河川と水田を結ぶ幹線排水路が整備されたことにより、水田との段差が大きくなり、その数は少なくなっていました。
そのため、徳下集落農業活性化協議会がナマズの棲む環境を取り戻したいという地元の意向を受けて、ナマズの専門家を入れた話し合いを行いながら、水田の区画整理と合わせて、隣接する残地に魚道とビオトープを整備しました。
 
完成したビオトープは、「ナマズがすめる自然豊かな環境づくり」をテーマに、徳下集落農業活性化協議会が維持管理を行っています。
 
イメージ 1
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
    【平成27年9月10日撮影】
 
 
また、ビオトープに隣接した小さな水田は学習田として、常盤小学校と連携しながら環境教育に活用しています。協議会では、学習田で作っているお米を「なまず米」と名付け、生態系の保全に配慮した、有機栽培による安全・安心なお米として販売し、この「なまず米」のブランド化等を通じて、環境保全地域活性化の取組を継続させていきたいと考えています。
 
なまず米の収穫体験】
9月25日、地元の常盤小学校3年生65人が「なまず米」の収穫体験を行いました。この学習田は、6月に常盤小学校の皆さんが田植えをしたものですが、稲が成長し、黄金色に実っている様子に皆さん喜んでいるようでした。
 
稲刈りの前に、協議会の山内会長から、「稲を刈るときは、根元をまとめて持ち、引くように鎌を使うこと」や「鎌を持っているときは、まわりの人に気を付けること」などの説明がありました。
 
 
イメージ 2
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして、楽しみにしていた稲刈りです。初めは、田のぬかるみに足を取られたり、茎の固い稲に苦労しているようでしたが、協議会のメンバーの指導を受けながら、皆さん楽しそうに稲を刈っていきます。協議会の方も、鎌で稲を刈るのは数十年ぶりとのことでしたが、小学生に稲の刈り方を教えるという普段ではなかなかない体験に、楽しそうでした。
 
イメージ 3
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 4
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
刈り取った稲は、わらを使って束にし、木の棒にかけて乾燥します。稲をしばるときは、わらではなく稲を回してしばるそうです。実際に体験させてもらいましたが、ベテランの方のように上手くできませんでした・・・(涙)
 
イメージ 5
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 6
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
約1時間ほどかけて、すべての稲を刈り終わりました。自分たちで植えた稲を収穫するという体験を通して、農業に親しみをもってもらえたのではないでしょうか。
 
協議会では、今回刈り取った「なまず米」を「食彩ときわ館(藤崎町)」で販売しています。
米袋にはシンボルマークであるナマズのイラストが入ったシールを貼り、訪れた人の目を引くようなデザインになっています。
 
イメージ 7
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今回の体験を通じて、稲刈りに参加した子供たちは環境を保全する取組の大切さを勉強してくれたようでした。また、地元の農業者等で構成される協議会と小学生が稲刈りを通じて交流する姿からは、学習田が地域の活性化の場になっていることを実感しました。協議会では、これからも「なまず米」等の取組を通じて、環境保全や地域の活性化を図る活動をしていくこととしています。
 
イメージ 8
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
環境公共学会のHPはこちらから