「切田辰ノ口地区コウモリ調査」

上北地域県民局地域農林水産部では、十和田市の切田辰ノ口地区(ため池等整備事業)で、老朽化した水路トンネルを改修しています。
 
事前調査の結果、水路トンネル内にコウモリが生息していることが確認されたため、環境の保全・再生を図る取組として、コウモリの生息環境に配慮した工事を進めています。
 
水路トンネルは2つあり、上流側の水路トンネルを改修するため、下流側の水路トンネルにコウモリを避難させます。
 
昨年は、上流側の水路トンネル内で3頭のコウモリが確認されたので、捕獲した1頭に個体識別バンドをつけ、下流側にある水路トンネルへ避難させてから、改修工事を行いました。
 
今年は、改修工事の再開にあたり、昨年避難させたコウモリが戻ってきていないかなどを確認するため、平成27926日に施工業者、コウモリ専門家、土地改良区、県民局が合同で水路トンネル内に入り調査を実施しました。
 
まずは改修を再開する上流側の水路トンネル(避難元)で調査を開始しましたが、事業実施
期間中のためまだ戻ってきていないのか、コウモリの姿は確認されませんでした。
 
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  【改修対象の水路トンネル(避難元)】
 
に、約100m下流側にある避難先の水路トンネルへ移動して調査を行いました。
こちらの水路トンネルでは以前から多数のコウモリが確認されており、昨年は捕獲した約
30頭のコウモリに識別バンドを装着しています。
 
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     【避難先の水路トンネル】
 
今年は55頭のコウモリを捕獲しましたが、そのうち、個体識別バンドがついたコウモリは8頭いました。
 
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捕獲したコウモリの情報を記入したあと、新たに捕獲したコウモリに個体識別バンドを装着
し、水路トンネル内へと放しました。
 
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   【個体識別バンドの付いたコウモリ】
 
今回の調査では、昨年上流側の水路トンネルから避難させたコウモリを確認することはできませんでしたが、避難先の水路トンネル内には捕獲できなかったコウモリがまだ多数生息しているので、その中にいるのかも知れません。
 
専門家の方からは、「切田辰ノ口の水路トンネルは非常にコウモリが棲みやすい構造になっている。コウモリの生態に配慮した工事を進めてほしい」というお話がありました。
 
今後も専門家の意見を取り入れながら、コウモリの棲みかとなるバッドボックスを水路トンネル内に設置するなど、生態に配慮した工事を進めていきたいと思います。
 
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