「地下かんがいシステム」は、地下に埋設された暗渠管から用水を供給するとともに、排水の役割も果たし、地下水位を自由にコントロールする技術です。
暗渠の疎水材には、地域で発生したモミガラと、間伐した広葉樹の木炭チップが使用されています。
今年、実施ほ場で栽培されているのは大豆と水稲です。
今年は夏以降、度重なる大雨に見舞われ、大豆の湿害が心配されていました。
やはり、その影響が少しはあったようで、例年と比較すると全般的に茎長が短いようです。
しかし、こちらのほ場は地下かんがいシステムにより排水が速やかに行われているため、他のほ場と比較すると、雨の影響が少ないように感じられました。
立派に結実しています。
台風の影響により100ミリほどの大雨が降ってから1週間経ったこの日、ほ場の土はパサパサに乾燥していました。排水がとても良好なようです。
一方、水稲は地下かんがいシステムが適する乾田直播で栽培しています。
写真奥に見えるのが地域に農業用水を配水する芦野揚水機場、そして写真手前の田んぼの脇に設置されているのが、システムの要となる用水管理器です。
十三湖地区ではこの間がパイプラインで繋がっていて、常時安定した水が供給されています。
乾田直播は、移植栽培と比較して収量が減少する傾向があるとされていますが、こちらのほ場では、ほぼ平年並みの安定した収量が確保できているように見えます。
地下かんがいシステムで栽培されたお米はもうすぐ収穫を迎えます。
環境公共学会ホームページはこちら