あおもり畜産堆肥展示会

 9月4日、黒石市の産業技術センター農林総合研究所の参観デーにおいて「あおもり畜産堆肥展示会」が開催されました。

  この展示会は、「あおもり堆肥ネットワーク推進協議会(事務局:青森県畜産協会)」が、県内の畜産堆肥利活用促進を目的として、年に4回程度実施しています。

  展示会では、要望に合わせて堆肥供給農家を紹介するなどマッチングを行っており、堆肥の活用促進に努めています。実際にマッチングが成立した事例もあり、堆肥に関する情報共有の場となっています。当日は、堆肥のサンプルが展示され、青森県畜産協会の職員が観覧する農家の皆さんと積極的に会話し、畜産堆肥に関する相談を受けていました。

  この取組は、耕畜連携による堆肥の有効活用の一環として、県が進めている環境公共の目標である、「持続可能で循環型の農林水産業の実現」につながる取組でもあります。

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畜産堆肥に関する相談受付

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堆肥のサンプルも展示

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当日の様子

南部町相西地区で令和2年度復旧治山工事が完了しました

 南部町相西地区では、平成29年の台風で崩れてしまった山腹斜面の復旧のため施工していた、山腹崩壊地の復旧治山工事(令和2年度分)が9月末に完了しました。

 山腹斜面を復旧することで、下流にある相内集落の人家や畑を保全し、環境公共における「農林水産業が支える自然・景観・文化の保全・継承」につながります。 

 今年度の工事では主に、「簡易吹付法枠工」という工法を実施しました。この工法は、モルタルを吹き付けて作った枠の中に、種子が入った土を吹付ける工法です。斜面に草を生やすことで、土が表面を流れる雨水などで削られたり、崩れたりするのを防ぎます。着工前は土がむき出しになっていた斜面が、完成後は法枠に覆われ、緑色の草が生えて緑化が図られています。

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着工前

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完成後

 今後も治山事業により農山漁村を災害から守り、農林水産業が支える自然・景観・文化の保全・継承につながる取組を推進していきます。

上小国地区ビオトープ池の木橋補修

 令和2年9月24日、外ヶ浜町上小国地区のビオトープ池に架かる木橋補修を行いました。

 この活動は、上小国地区環境公共推進協議会が県の「ふるさと水と土保全対策事業」を活用して行っている、木材によるビオトープ補修の取組の一環で、今年度で4年目となります。

 本地区にはビオトープ池が2つあり、それぞれに木橋が2橋設置されていますが、経年劣化により、橋を渡ることができない状態でした。

 そのため、今回は、古い丸太を撤去し、新しい丸太を設置する補修作業となりました。

  まずはじめに、橋の両側に設置されていた支柱を撤去し、新しい支柱を木槌で打ち込む作業を行いました。その後、橋を渡る部分に円柱の丸太を敷設し完成です。

 きれいに並んだ丸太は、補修前と比べて、とても丈夫になり、安全に橋を渡れるようになりました。

 

 今回補修して新しく生まれ変わった木橋が自然環境のふれあいの場として、住民に使われ続けることを期待しています。

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今回補修する橋(左),支柱を打ち込む様子(右)
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丸太を運ぶ様子(左),丸太を敷設する様子(右)

三沢市立おおぞら小学校水質調査

 令和2年9月18日(金)、三沢市立おおぞら小学校5年生を対象に行われた校外学習(水質調査)の様子を紹介します。

 

 おおぞら小学校では、北三沢地区の担い手である農事組合法人フラップあぐり北三沢やJAおいらせ青年部、北三沢土地改良区の協力により、平成29年度から本地区で農作業体験を実施しています。

 今回は、農作業体験前の学習として、田んぼの水や小川原湖の水で水質調査や稲の様子を観察しました。

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調査に使用した水

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水質調査

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稲の様子

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カエルもいました

 水質調査は簡易的にできるパックテストを使用し、みなさん楽しく調査をしていました。前日に雨が降ったせいなのか、今回調査した水はアルカリ性という結果になりました。

 10月上旬には本地区で4~6年生による稲刈りが行われる予定で、みなさん楽しみにしているようでした。

インターンシップでの生き物調査

 中南地域県民局では、県内の大学からインターンシップを受け入れています。今年は、8月17日~8月28日、9月7日~9月18日の2回、弘前大学農学生命科学部の3年生4名がインターンシップとして、県民局で実際の業務の体験などを行います。

  今回は、弘前市の農地整備を行う予定がある区域内で、インターンシップの学生2名とともに生き物調査を行いました。

  生き物調査を行った区域は、これまで農地の整備などが行われたことはなく、水田の形は不揃いで小さく、水路は素掘りの水路という状況です。

 今年の4月に現地の水路を見たところ、メダカが泳いでいるのが確認されたほか、耕作を休んでいる水田には、タニシの貝殻が無数にあったため、インターンシップの学生と一緒に生き物調査を行う良い場所になるのではと考えていました。

 生き物調査を行った当日は夏空が広がり、周辺ではセミの鳴き声が響いていました。生き物調査は、休耕田と排水路で行いました。

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 現地に到着し、まず、県民局の職員から生き物調査の内容の説明を行った後、水の流れの速さや水温、水路の幅や高さなどを確認しました。

 続いて、インターンシップの学生と県民局の若手職員がそれぞれ網を持ち、休耕田で生き物を探しました。

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 生き物調査の結果、ヤゴ、タニシ、オタマジャクシ、ゲンゴロウが見つかりました。また、作付されている水田や排水路を確認したところ、タニシが生息していました。

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 また、場所を変えて調査をしたところ、ドジョウやコオイムシが見つかりました。

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 現在、ゲンゴロウコオイムシは、絶滅危惧種に分類されており、貴重な生き物が生息していることが確認できました。

  農地の整備により、現在の水田の形は整えられ、素掘りの水路にはコンクリートの水路が設置されることとなります。その結果、生き物が生息する環境に少なからず影響が及ぶことが考えられますが、農業の生産性の向上のためには、農地の整備も必要です。

 農地の整備に当たっては、生き物が生息する環境の保全と農業の生産性の向上という相反する課題の最適なバランスを確保することに努めながら、取り組んでいく必要があります。

  インターンシップの学生の皆さん、暑い中での作業、大変お疲れ様でした。