インターンシップでの生き物調査

 中南地域県民局では、県内の大学からインターンシップを受け入れています。今年は、8月17日~8月28日、9月7日~9月18日の2回、弘前大学農学生命科学部の3年生4名がインターンシップとして、県民局で実際の業務の体験などを行います。

  今回は、弘前市の農地整備を行う予定がある区域内で、インターンシップの学生2名とともに生き物調査を行いました。

  生き物調査を行った区域は、これまで農地の整備などが行われたことはなく、水田の形は不揃いで小さく、水路は素掘りの水路という状況です。

 今年の4月に現地の水路を見たところ、メダカが泳いでいるのが確認されたほか、耕作を休んでいる水田には、タニシの貝殻が無数にあったため、インターンシップの学生と一緒に生き物調査を行う良い場所になるのではと考えていました。

 生き物調査を行った当日は夏空が広がり、周辺ではセミの鳴き声が響いていました。生き物調査は、休耕田と排水路で行いました。

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 現地に到着し、まず、県民局の職員から生き物調査の内容の説明を行った後、水の流れの速さや水温、水路の幅や高さなどを確認しました。

 続いて、インターンシップの学生と県民局の若手職員がそれぞれ網を持ち、休耕田で生き物を探しました。

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 生き物調査の結果、ヤゴ、タニシ、オタマジャクシ、ゲンゴロウが見つかりました。また、作付されている水田や排水路を確認したところ、タニシが生息していました。

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 また、場所を変えて調査をしたところ、ドジョウやコオイムシが見つかりました。

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 現在、ゲンゴロウコオイムシは、絶滅危惧種に分類されており、貴重な生き物が生息していることが確認できました。

  農地の整備により、現在の水田の形は整えられ、素掘りの水路にはコンクリートの水路が設置されることとなります。その結果、生き物が生息する環境に少なからず影響が及ぶことが考えられますが、農業の生産性の向上のためには、農地の整備も必要です。

 農地の整備に当たっては、生き物が生息する環境の保全と農業の生産性の向上という相反する課題の最適なバランスを確保することに努めながら、取り組んでいく必要があります。

  インターンシップの学生の皆さん、暑い中での作業、大変お疲れ様でした。