ドローンを活用した農薬散布

 平川市の唐竹中山間組合では、令和元年度に中山間地域等直接支払交付金を活用し、自走式草刈機と農薬を散布できるドローンを導入しました。7月に自走式草刈機によるりんご樹園地の草刈りを見学させていただいたのに引き続き、ドローンを活用した農薬散布の様子を見学させていただきました。

 見学させていただいた8月11日は、立秋を過ぎたにもかかわらず、非常に気温が高く、朝9時時点で30度を超え、真夏日となりました。

 ドローンは、正式にはマルチコプターと呼ばれ、空中からの撮影や測量、物資運搬など、様々な用途に活用されています。

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農薬を散布するドローン(左),ドローンを操作するプロポ(右)

 水田での農薬散布は、ラジコン操作のヘリコプターで行われているのを見かけますが、最近では、ドローンを活用した農薬散布も見かけるようになりました。

  今回のドローンの操作は、唐竹中山間組合の若手の組合員の方が行いました。

  ドローンを操作する際には、水田の奥行きの位置がわからないため、遠方にもう1人が立ち、ドローンの位置を見ながら、ドローンを操作する者に無線で合図をします。

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ドローンによる農薬散布の様子

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ドローンを操作する様子

 唐竹中山間組合で導入したドローンは、農薬を入れるタンクの容量は10リットルで、一度農薬を詰めると約1ヘクタールの水田に農薬を散布できるそうです。また、1本のバッテリーでの稼働時間は約5分ということで、唐竹中山間組合では、6本のバッテリーを準備し、農薬を散布しているそうです。

 今回散布した農薬は、水田の近くにりんご樹園地があることから、りんごに散布する農薬と同じものとのことでした。(カメムシ対策の農薬とのことでした。)f:id:kankyokoukyo:20200827232634j:plain

ドローンへ農薬を詰める作業の様子

  唐竹中山間組合の方は、ドローンの操作にまだ慣れていないことから、ドローンの操作経験を積み重ねて、操作技術を習得し、ドローンを活用した農薬散布の面積を拡げていきたいとのことでした。暑い中、ドローンを操作していた方は大変お疲れ様でした。

アジサイの植栽活動

 現在、深浦町で建設中の西海岸広域農道のうち、既に開通している風合瀬(かそせ)集落の沿線において、アジサイの植栽活動を毎年行っています。

 この活動は、平成15年に緑化活動の一環として、深浦町が中心となって始め、その2年後に風合瀬自治会が活動を引き継いでいます。平成22年度からは県の「環境公共」の推進を契機に「西海岸地区環境公共推進協議会」が設立されたことから、地域住民や関係団体が中心となって、現在に至るまで活動を行っています。

 

 今年は7月16日に地域住民の方など33名が集まり作業を行いました。当日は天候にも恵まれ、涼しい風が吹き抜ける中、作業を行うことができました。

  活動の主な内容としては、新しい苗の植栽です。アジサイの花の色は赤と青に大別されますが、花の色の決め手は土壌のpHの違いにあり、アルカリ性土壌であれば赤に、酸性土壌であれば青に色が変化するようで、本路線は青のアジサイが多いことから、酸性寄りの土壌であることが推測されます。そのため、今年は青のアジサイを30株用意し、植えることとしました。


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きれいに咲きますように

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ずっと続く西海岸広域農道

 また、今年は水やりに一層重点を置き、「バークチップ」という保水材も用いながらこれまで以上にたっぷり水やりをしました。

 「バーク」とは、「樹皮」であり、土の上に2~3cm程度敷き詰めて使用します。このバークチップを用いることにより、①土の乾燥防止、②雑草対策、③急激な温度変化防止の効果があります。

 アジサイは苗の植え付け後に、根が土に活着するまでが重要であり、植栽時期が夏ということもあるので、乾燥にはより気を使わなければなりません。今年のアジサイには、より水分補給をしてもらい、大きく育つように願いを込めて植栽しました。

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事務局より水やりについて説明

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今年の水やりは一層たっぷりと!

 今年はドローンを用いてアジサイの様子も撮影しました。ドローンの空中撮影により、沿線にアジサイがきれいに連なっている様子を見ることができました。今後も、アジサイの植栽箇所や間隔などについて協議会で話し合うなどして、よりきれいに連なるアジサイをお見せできるよう活動していきたいと思います。

 これまでの活動の成果として、沿線約1kmにアジサイが咲き誇っています。開花時期にきれいに連なるアジサイは本当に絶景です。このように、農村地域の景観保全をしていくためにも、本協議会では、日常の維持管理(水やり、アジサイの剪定、ゴミ拾い等)を通じて、西海岸地区の地域資源を次世代に引き継いでいきたいと思っています。

 来年度からは広域農道に隣接する風合瀬地区において、ほ場整備事業が始まる予定です。76.9haもの水田が大区画化・汎用化される計画であり、広域農道の利用がより増えると思われ、深浦町全体が一層活性化されることを願っています。

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開花したアジサイと農道

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風合瀬地区の絶景をドローンで一望

五戸川で稚魚放流会が行われました

 令和2年7月16日(木)、五戸町でイワナ・ヤマメの稚魚放流会が開催されました。

 『魚にやさしい五戸川の環境づくりを進める会』が開催している放流会は、多様な生物の生息が可能な自然環境を保全・再生するため、環境公共の取組の一環として行っています。

 13回目となる今年は、みゆき保育園、江渡幼稚園、くらいしこども園の約50人の園児たちが、約4,000尾を放流しました。

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川村会長からのお話(左),イワナの成魚の観察の様子(右)
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「元気にそだってね!」「大きくそだってね!」などと声をかけ放流

 園児たちは、稚魚が泳いでいく姿に、手をふり見送りました。園児たちの元気な応援に稚魚もうれしそうな様子でした!

 感染症対策として全員マスクを着用しての開催となり、放流も2箇所に分かれて行いました。様々な行事や外出が制限される中、稚魚を渡された時の喜ぶ顔から、園児たちも放流会を楽しみにしていた様子がうかがえました。

 環境保全の重要な要素に「水」の役割が挙げられます。川や海に多様な生き物が生息できるように守っていくことは、我々にできる保全と再生の活動です。園児たちは、放流会を通して「なぜ生き物の住む川をきれいにしなければならないのか」、「わたしたちが普段なにげなく使っている水はどこからやってくるのか」を学ぶことができました。

 園児たちにとって、環境についてより身近に感じることができる体験となりました。

中泊町小泊沖に高層魚礁を設置しました

 現在、県では、ハタハタやウスメバルヤリイカなどの水産資源の増大と漁獲量の安定・向上を図るため日本海北部地区で漁場整備を実施しています。

 令和2年7月14日、高さ約21m、重さ約56トンの鋼製の高層魚礁を小泊沖に設置する工事を行いました。

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組立完了後の高層魚礁(3基)

 小泊漁港内で組み立てた高層魚礁を、大型のクレーンがついた作業船にのせて、設置海域まで運びました。

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作業船に積み込む様子(左),設置海域まで運搬(右)

 設置海域に到着後、クレーンで高層魚礁を海底に設置しました。設置後は、多くの魚の棲家となります。

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水深約90mの海底に設置

 今後も、藻場などの増殖場や漁礁漁場の整備で漁獲量の安定向上を図り、地域の水産振興につなげていきたいと考えています。

今別川・安兵衛川での稚魚の放流活動

 5月から7月にかけてアユ、イワナ、ヤマメを今別川と安兵衛川にそれぞれ放流しました!

 この稚魚の放流活動は、毎年、今別町の今別川流域で今別川内水面漁業協同組合(アユ)と安兵衛地区環境公共推進協議会(イワナ・ヤマメ)が取り組んでいます。最近では環境に配慮した取り組みが盛んに行われていて、今回の放流活動も大切な水環境を守るための取り組みとして行っています。

 なお、安兵衛川では、平成20年度から23年度にかけ、魚類が遡上しやすくなるよう、3ヶ所の頭首工で魚道が整備されています。f:id:kankyokoukyo:20200728180537j:plain

放流位置図

【アユの稚魚放流】

 令和2年5月22日(金)に新今別橋近くの今別川でアユの稚魚放流活動を行いました!

 いつもは地元の園児の皆さんと水循環の大切さを学ぶことの一環として稚魚の放流活動を行っていましたが、今年は新型コロナウイルス感染症が流行したため、園児と一緒の放流は断念して、内水面漁協、東青地域県民局、今別町役場及び稚魚を提供してくれた鰺ヶ沢町役場の方々で行いました。

 参加者は川の土手から放流箇所まで列をつくり、10,000尾のアユの稚魚をバケツリレーで川まで運び、放流しました。

 最後に参加した方々と記念写真をとり、今年のアユの稚魚放流を終えました。 

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アユの稚魚放流の様子(左),参加した皆さんと記念撮影(右)

イワナの稚魚放流】

  令和2年6月3日(水)に安兵衛川流域の上股川と槌菱川でイワナの放流を行いました!この日の天気は良く晴れており、日差しが強く感じられまた。

 放流は、安兵衛地区環境公共推進協議会の方々により、袋に入ったイワナ計7,000尾を上股川と槌菱川の2箇所で放流しました。イワナは全長5センチほどの小さな稚魚で、袋から放たれると四方八方に元気よく泳いでいく様子が確認できました。

 今回の活動で放流したイワナが川で無事に大きく成長していけたら嬉しいです。f:id:kankyokoukyo:20200729061258j:plain

イワナの稚魚放流の様子

【ヤマメの稚魚放流】

 令和2年7月9日(木)に今別町大川平地区今別川流域でヤマメの稚魚放流活動を行いました!

 この日の天気も良く晴れており、夏の暑さが感じられました。

 参加者は午前11時に現場に到着し、トラックに積まれたヤマメの稚魚7,000尾を川に放流しました。今回もアユの稚魚放流の時と同様に、参加した皆さんで列をつくり、バケツで川まで運ぶ作業を行いました。

  最後に参加した皆さんと記念撮影を行い今年度の稚魚の放流活動は終了。

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ヤマメの稚魚放流の様子(左),参加した皆さんと記念撮影(右)

 今回行った3回の放流活動を通して、改めて水環境を保全することの大切さを学ぶ貴重な機会になりました。