「下北の農・林・水を体験するバスツアーを開催しました」<

 令和元年10月27日(日)に開催した「下北の農・林・水を体験するバスツアー」にむつ市内の小学生と保護者38名が参加しました。
 この体験学習は、農林水産関連施設の見学、農業体験、環境公共学習等を通じて、「環境公共」の取組や水循環の大切さについて理解を深めてもらい、おいしい農林水産物を地域の人たちがどのように守っているのかを知ってもらうものです。

 はじめの学習先は、「さけますふ化場」です。ここでは、サケの住む環境が大きく変わり、生まれた川へ戻ってくるサケが少なくなっているため、人間の手でサケの産卵や稚魚の成長を手助けし、戻ってくるサケを増やしていることを学習しました。その後、実際に捕まえたサケが泳ぐ生け簀をじっくりと観察していました。
 
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 2番目は、参加者の皆さんが最も楽しみにしていたそば打ち体験です。今回は東通村産のそばの実を粉にしたそば粉100%の十割そばを作りました。そば処田屋で日頃そばを打っている方などから実演を交えながら丁寧にそば打ちを教えてもらっていました。そば粉にお湯や水を混ぜながらこねていきますが、時間がたつにつれどんどん水分が飛んでしまうため、うまく作るためにはすばやく、時間をかけずにこねるのがコツのようです。それぞれが悪戦苦闘しながら、無事にそば打ち体験を終えることができました。打ったそばは、そのまま昼食となりました。出来栄えに満足できなかった人もいたようですが、とてもおいしかったようです。
 
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 お昼ご飯を終えた後は、「環境公共」と「水循環」の学習です。水は山→川→海と旅をし、途中でその水を家で使ったり、お米や野菜をつくるために使っています。美味しい水を飲んだり、美味しい農産物をつくったり、豊かな海産物を育んでいくためには、きれいな「水循環」を守ることが大切であること、そしてそれを守るための取組を地域の人たちが一緒になって行うことが「環境公共」であることを学びました。難しい内容でしたがみなさん熱心に話を聞いていました。
 
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 午後は東通村のいちご農家、濱田さんの協力の下、いちごハウスで収穫体験をしました。摘み取り方を教えてもらいながら、完熟した甘い夏秋イチゴに舌鼓を打っていました。下北地域は夏も比較的涼しい気候なので、夏秋イチゴの栽培に向いています。生産者には若手農業者も多く、販売額も1億円に迫るなど、下北地域で最も勢いのある特産品の一つになっています。
 
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 最後の体験場所は東通村森林組合です。ここでは、森林の持つ6つの役割として、①水を貯えきれいにする働き、②山が崩れるのを防ぐ働き、③木材を生産する働き、④生活環境を快適にする働き、⑤地球温暖化を防止する働き、⑥動植物の生活の場としての働き)について県民局林業振興課及び森林組合の職員から講義をうけ、東通村森林組合の製材施設などの見学と間伐材を利用した壁掛けを作りました。
 
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 農・林・水の体験や見学を通じて下北の農林水産業の魅力や、きれいな「水循環」の大切さとそれを守る取組を行う「環境公共」について少しでも興味をもってもらえれば幸いです。参加したみなさんから取組の輪が広がっていくことを願っています。