下北の農・林・水を体験するバスツアーを開催しました

平成30年10月21日(日)に、「下北の農・林・水を体験するバスツアー」を開催し、むつ市内の小学生と保護者34名が参加しました。
 この体験学習は、下北地域県民局地域農林水産部が主催し、「環境公共」の取組や水循環の大切さについて理解を深めてもらうため、農林水産関連施設の見学、農業体験、環境公共学習等を通じて、おいしい農林水産物を地域の人たちがどのように守っているのかを紹介するものです。

はじめの学習先は、「サケ簗場」です。ここでは、サケの住む環境が大きく変わり、生まれた川へ戻ってくるサケが少なくなっているため、人間の手でサケの産卵や稚魚の成長を手助けし、サケを増やしていることを学習しました。その後、実際に簗場で捕まえたサケが登場し、子供たちは濡れるのも気にせずに元気に泳ぐサケを触ったり、持ちあげたりして歓声を上げていました。大畑町漁協の方からオスとメスの見分け方も教えてもらい、サケをじっくり観察していました。
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2番目の学習先は、「大畑頭首工」と「魚道」です。頭首工は田んぼでお米を育てるための水を川から取り入れる施設であること、川の中に頭首工をつくったことで段差ができ、魚が上流に泳いでいくことができなくなり“魚のための道”である「魚道」をつくったことを学習しました。子供たちは川にどんな魚がいるのか興味津々でした。
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3番目は、東通村産のそばを使用したそばすいとんづくり体験です。そば粉だけでは固くなりすぎるので今回は蒸かしたじゃがいもを混ぜてつくりました。講師は東通村のたべもの工房来美里のお母さんたちで、その指導のもと、こねたり、ちぎったり笑顔で作業し、時には「このくらいの固さでいいの?」「大きさはこのくらい?」など真剣な子供たちの姿も見られました。つくったそばすいとんはそのまま昼食となり、みなさん美味しそうに食べていました。講師のお母さん方が炊き込みごはんも用意してくれ、大満足のお昼ご飯となりました。
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お昼ご飯を終えた後は、4番目の「環境公共」と「水循環」の学習です。水は山→川→海とぐるぐると旅をし、その水をお家で使ったり、お米や野菜をつくるために使っています。美味しいお水を飲んだり、美味しい農産物をつくったり、豊かな海産物を育んでいくためには、きれいな「水循環」を守ることが大切であること、そしてそれを守るための取組を地域の人たちが一緒になって行うことが「環境公共」であることを学びました。難しい内容でしたがみなさん熱心に話を聞いていました。


5番目は、東通村の松林で森林学習と松くい虫調査についての学習です。森林学習では色々な森林の働きを学びました。松くい虫調査の説明では、木に罠をしかけて松枯れの原因となる虫がいないか確認するほか、ドローンで枯れた松がないか調査していることを学びました。実際にドローンを見ると、子供たちは走ってそばまで行き、ドローンが上がったり下がったりする度歓声をあげていました。ドローンを操縦した子供たちは満面の笑顔でした。保護者の方もドローンには興味津々という感じでした。最後にドローンで集合写真を撮影し、次の学習先
へ向かいました。
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最後は、ミルク工房ボン・サーブでバターづくりです。はじめに牛舎で牛を見学し、1日にとれる生乳の量などについて学習した後、「牛乳と生クリームが入った容器を20分くらいひたすら振り続けてください」とバターづくりの説明を受けました。子供たちは、人気の歌「U.S.A」を踊りながら振ったり、走って振ったりと、とにかく楽しくやる方法を考案していました。振り続けると徐々に固形物と水分に分離していき、完全に分離すれば完成です。完成の瞬間を目を輝かせながら見守り、いつも食べるバターとは違うフレッシュな味に満足げな
子供たちでした。
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農・林・水の体験や見学を通じて下北の農林水産業の魅力や、きれいな「水循環」の大切さとそれを守る取組を行う「環境公共」について少しでも興味をもってもらえれば幸いです。参加したみなさんから取組の輪が広がっていくことを願っています。
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