青森県農林水産基盤整備推進セミナー

 11月11日、青森県農村整備建設協会と青森県漁港建設協会の共催により、「青森県農林水産基盤整備推進セミナー」が開催されました。
 このセミナーは、農林水産業の基盤整備に関わる行政や建設関連業者の職員を対象に、県内における先進的な施工技術や取組事例などについて紹介し、技術の研鑽を図るために行われたもので、会場には県内から多くの技術者が詰めかけました。
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 セミナーで行われた講演の中から、農林水産基盤整備に関する取組を紹介します。
 
 川内町漁業協同組合青年部の美濃部文和理事は、「ナマコ資源増殖の取組」と題して、陸奥湾でのナマコ資源の管理・増大への取組を紹介しました。
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 近年はナマコの価格が上昇したために陸奥湾でも漁獲数量が増加傾向でしたが、ここ数年は減少傾向に転じたことから、資源増殖の取組が必要となったそうです。
 陸奥湾では、特産のホタテガイの貝殻を海底に敷設し、ナマコの発生を促す取組が行われてきましたが、川内町漁協でその効果の経年変化を調査したところ、砂泥の堆積や貝殻の風化により、効果が減少している実態が確認されました。
 そこで川内町漁協では、貝殻を耕転する器具を試行錯誤の上開発し、増殖場の機能回復に成功しました。
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 現在、湾内各地でホタテガイ貝殻敷設によるナマコ増殖の取組が行われていますが、持続的に効果を発揮するための、参考事例となる取組です。
 
 青森県農村整備課の蒔苗春彦主幹は、「農業農村整備における新技術の紹介」と題して、青森県が取り組んでいる農地汎用化などのための低コスト化技術について紹介しました。
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 青森県では、水田の輪作体系の導入を可能にする「地下かんがいシステム」や、青森県での栽培が盛んなゴボウやナガイモなどの根菜類の増収・高品質化を図る「深暗渠」などの更なる低コスト化を進めるために技術開発を行っています。
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 今後、低コスト技術が県内に広く普及し、農家の収益がアップすることが期待されています。
 
 
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