六羽川水の旅

 水土里ネット津軽平川では、毎年、小学生を対象に水源である森林と農業用水の関わりについて理解を深めるため、上流のダムから頭首工、末端の田んぼまでを巡り、農業用水がどこから来てどのように使われているのかや水と森林の大切さについて学ぶ「水の旅」を開催しています。
 今年は平川市立小和森小学校の四年生47名を対象として「六羽川水の旅」を628日に開催しました。
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 小学校の近くにある滝本堰頭首工では、頭首工と六羽川の役割について学びました。
 六羽川は田んぼや畑に水を送るだけなく、ドジョウやカエル、トンボなどの生態系を保全したり、洪水を防いだり、消流雪水や防火のための地域用水に使われたり様々な役割をもっています。
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 大鰐町にある平川第一頭首工ではゴムのチューブを膨らませ、川をせき止めて取水口から取水し、田んぼや畑へと水を流しています。
 川をせき止めることで上下流を分断してしまうので、魚道を設置し、上下流間で魚が行き来できるようになっています。
 この日は魚道内に魚がいるのを見つけて、子どもたちの目が輝いていました。
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 緑にかこまれた早瀬野ダムを見学しました。
 このダムでは、水をためる役割と森林の働きについて勉強しました。
 森林も水を貯えたり、山崩れを防いだり、水をきれいにする働きがあり、緑のダムと呼ばれています。
 この働きを最大限に発揮するためには、間伐などの手入れを行い、日光が入り、草が生えるような健康な森林を維持しなければなりません。
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 平川市でほ場整備が行われた田んぼの様子を見学しました。
 ほ場整備では区画をきれいな四角形にしたり、水はけを良くしたりして、農家の人たちが働きやすい田んぼにします。
 ここでは、田んぼに棲む生きものについても学びました。
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 最後に、田舎館村埋蔵文化財センターで田んぼの遺跡を見学しました。
 現在の区画よりだいぶ小さい3×3m程度の小規模なものですが、鉄製農機具が登場する以前から稲作が行われていたようです。
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 今回の「水の旅」を通して、水を蓄える森林が農業用水を生み出し、多くの農業施設を通って田んぼへと用水を供給していることを理解してもらえたのではないでしょうか。
 また、田んぼにためられた用水が多くの生きものの棲みかとなり豊かな生態系を形作っていることも理解してもらえたのではないかと思っています。
 
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