ふるさと水と土基金全国研修会に参加しました

 環境公共学会会長の世永星です。
 10月20日から21日にかけて、「国立オリンピック記念青少年総合センター」で開催された「第18回ふるさと水と土基金全国研修会」に参加しました。
 この研修会は、「ふるさと保全ネットワーク」が主催し、農地や農業用水を保全活用するための地域住民活動の活性化に関する推進指導、助言を行う人材の育成・能力の向上に資することを目的に行われました。
 当日は、全国から、同じ志を持った方々が集まっておりました。
 この研修会の中で、「環境公共」の考え方にも通じ、皆様にも紹介したい事例としては、山形県の「株式会社東沢米翔(ひがしざわこめしょう)」の代表取締役、佐々木賢一氏からの、「協働のまちづくり」に関する講演です。
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 山形県川西町東沢地区では、町の「まちづくり基本条例」の制定を受け、いち早く「協働のまちづくり推進会議」を立ち上げ、地域づくりに取り組みました。
 そして、「3つの柱」と、それらを進めるための「7つの地域づくり」という地区計画の目標を掲げました。その目標とは…
「3つの柱」
 1.「農業の振興と所得の拡大」
 2.「安全安心な暮らしを守る」
 3.「人づくりと交流」
「7つの地域づくり」
 1.「自然を活かした農業」
 2.「美しい自然を守り、育てる」
 3.「一人一人が大切にされ、ともに助け合う」
 4.「生活の利便性が高い地域」
 5.「高度な情報文化を共有できる」
 6.「人口の流入と交流を図る」
 7.「伝統文化を大切にする」
 
 地域では、これらの目標の達成に向け、子どもから大人まで、そして行政や地域の様々な組織も、それぞれが取り組み可能な活動を実践してきました。
 活動に当たっては、各組織の役職の負担軽減を図るため、各組織の会計を一元化したり、地区の行事をいくつかに集約したりしました。
 また、各組織の組長の研修会を開催し、まちづくりの考え方や推進方法について認識を共有しました。
 その他にも、都市・消費者との交流イベント実施や、農業のための土づくりや減農薬の取組、直売所の開設など、地域の多くの方が、地域のために積極的な活動を続けました。
 その結果、都市との交流人口が増え続け、農産物などの売上高も増加しました。
 これらの活動が認められ、NHKなどが主催する、日本農業賞特別部門「食の架け橋賞優秀賞」を受賞するなど、様々な分野において、多くの賞を頂くこととなりました。
 地域では、農業所得や交流人口の拡大を目指し、地域づくりの第2期計画を策定し、今後も活動を続けていくこととしたそうです。
 
 佐々木氏は、地域づくりを成功させるためには、リーダーとなる人材がいること、また、リーダーが育つ環境があること。そして、必ず話し合い、必ず決める、必ず実行することを取り決めした地区計画が必要であることなどを訴えておりました。
 
 以上、簡単に一部分だけを紹介させていただきましたが、感想としては、計画段階から、打合せ、実行、実施計画の検証評価の各ステップが確実に行われ、成果がみられることや、リーダーとなる人材がいること。そして、リーダーが育つ環境があるという点がすばらしいと思いました。
 
 また、全国水土里ネット・ふるさと保全ネットワーク発行の「新・田舎人」の編集・原稿づくりをされている大塚氏からは、以下のようなお話がありました。
 ・地域づくりにおいて全国全ての事例に共通するのは、「地域の危機感」。これが起点であり、活動の原動力である。
 ・自分たちができることから始める。
 ・「持続的発展」…成果主義に陥らない、継続は力なり。
 これもまた、青森県の環境公共の取組を推進する者としては、心に響くお言葉でした。
 研修会では、全国から集まった参加者とのディスカッションも行われました。
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 各参加者からの様々な発現に、驚かされ、そして非常に参考となりました。
 
 最後に研修参加者は、修了の証として、証書をいただきました。
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 このような機会を頂けたことに、非常に感謝しております。
 これからも、各地区の環境公共推進協議会などに参加し、がんばりたいと思います。
 
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