五所川原農林高校環境土木科インターンシップ

 令和4年10月12日~14日までの3日間、五所川原農林高校環境土木科2年生の生徒5人を対象に、インターンシップ(就業体験実習)が実施されましたのでご紹介します。

 このインターンシップは、農業農村整備事業と環境公共に関する勉強や業務を実際に体験することで、青森県職員(総合土木職(農業土木))を志望する動機付けとしてもらう事を目的に、西北地域県民局と五所川原農林高等学校が連携し、毎年開催しています。

<1日目:10月12日>

 午前は、「県職員」とはどういうものかをイメージしてもらうために、県の組織と仕事、農業農村整備の仕事について勉強しました。

 その後、農道の路面改良を実施している五所川原第二地区(中泊町)の完成検査(書類及び現場)に立ち会い、直前に勉強した「工事の完成検査」を体験してもらいました。

 生徒からは「検査に合格しない場合はどうなるのですか?」という鋭い質問がありました。

 午後は、昨年度からほ場整備工事を実施している深味長野地区(板柳町)でレベルを使い、用水路の測量を行いました。測量は学校で既に学んでいましたが、最初は緊張でうまくできなかったものの、同校OBである若手職員からの励ましに奮起し、その後は上手く作業を進めていました。

若手職員による指導の様子

測量の様子

<2日目:10月13日>

 午前はストックマネジメントについて勉強した後、実際に水路の点検診断を行いました。

 ストックマネジメントとは、老朽化した農業水利施設に対し、更新時期に単純に更新するのではなく、更新時期に到達する以前に、施設の性能評価等を行ったうえで、劣化状況に応じて適切に対策を行う取組です。施設の機能保全を効率的に実施することで、施設の有効活用や長寿命化が図られ、ライフサイクルコストの低減につながります。

 ストックマネジメントについては、すでに授業で習っているようで、県民局からの質問に対し、的確に答えていました。

ストックマネジメントの勉強の様子

水路の点検診断の様子

 午後は令和5年度から用水路の整備を行う越水用水路地区(つがる市)等の現地調査を行いました。

 越水用水路では実際に現地を確認しながら、来年度からの整備に向けて、現在作成中の計画について説明を行いました。

 水路を見て、「骨材が露出しているので、劣化が進んでいる。」との発言もあり、午前中に実践した水路の点検診断を自ら行っている生徒もいました。

工事計画について説明

<3日目:10月14日>

 午前は、令和元年度から管理橋の改修工事を実施している廻堰地区(鶴田町)で「鶴の舞橋」の改修現場の施工確認を体験しました。

 県の担当から事業概要と工事計画について、施工業者から施工方法の説明を受けた後、現場の確認を行いました。

 生徒たちは、普段は関係者以外が立ち入りできない現場に興奮しながらも、積極的に質問をして基礎補修工事の施工状況を確認していました。

改修計画を学ぶ生徒

ひび割れ補修をチェック

 午後は、令和4年度からため池の改修工事を行っている小三郎地区(つがる市)の地質調査の様子を見学しました。小三郎溜池は、「防災重点農業用ため池」に指定されており、これまでの調査で、地震時の安全性及び豪雨時の洪水吐能力の不足が判明したため、来年度からの工事に向け、詳細な検討を進めています。

 ボーリング調査の目的や必要性、各種試験方法などについて県の担当及び委託業者から説明を受け、標準貫入試験の様子を見学しました。

 また、ため池を改修するだけでなく、ハザードマップの作成や掲示を行って、注意を呼びかけていることについても紹介しました。

地質調査の説明

標準貫入試験の見学

 最後に、インターンシップに参加した生徒一人ひとりから感想を述べてもらいました。

 生徒からは、「元々公務員を目指しており、県職員と市町村職員で悩んでいたが、今回のインターンシップで、県職員を目指そうと思いました。」と前向きな発言がありました。

 近い将来、皆さんと一緒に働けることを期待していますので、これからも勉強を頑張っていただきたいと思います。

 参加された生徒の皆様、関係各所の方々、ご協力ありがとうございました。