祝!!「坪毛沢ヒバ木製治山堰堤群」の林業遺産認定

 五所川原市の飯詰山国有林にある「坪毛沢ヒバ木製治山堰堤群」が、日本森林学会が選定する「林業遺産」認定されました。五所川原市青森市にまたがる馬の神山の西側にある「坪毛沢」は古くから山腹の崩壊等により土砂が流出し、地元では暴れ沢として恐れられていました。大正5年に当時は道路も無く資材運搬も困難だったことから、現地で自生していた青森ヒバを組み上げて、木製の堰堤6基を整備したほか、戦後の昭和28年から昭和33年にかけて、青森ヒバを使用して木製の堰堤6基を追加し、合計で12基整備しました。

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6号木堰堤(昭和28年度完成)の施工中写真

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4号木堰堤(S29年度完成)完成直後の写真

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現在の9号木堰堤(昭和29年施工 堤長:14m、堤高:3m)

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林業遺産認定証

 整備した12基の堰堤のうち、現存しているものは11基あり、大正5年に整備した堰堤は、施工してから100年以上、昭和28年に整備した堰堤も施工してから60年以上経過していますが、写真のとおり、一部で摩耗して削れたり、部材の脱落などの損傷が進みながらも、今なお浸食を防ぐ機能を発揮していることから、青森ヒバの耐久性の高さが証明されています。

※ 掲載写真は全て津軽森林管理署金木支署提供