後潟水土里ふれあいの旅2019

令和元年6月24日(月)に、水土里ネット青森北部と水土里ネット青森第二北部が、青森市後潟小学校の4年生(11人)を対象に、野外学習「後潟水土里ふれあいの旅2019」を開催しました。この野外学習は平成16年度から毎年行われてきましたが、令和2年度の後潟小学校統廃合に伴い、今年で最後となります。野外学習は、農業用水の水源地である山林から水田までの一連の水の流れを学習しながら、農業水利施設を見学し、施設の役割を理解してもらうとともに、施設付近に棲む生き物観察や水質調査を行い、地域の農業・農村環境について総合学習できる内容となっています。

 まず、最初に後潟小学校で出発式を行いました。出発式では校長先生から「自分たちの地域の自然の豊かさや水の役割について学んできてください」という宿題をいただきました。児童のみなさんは元気に返事をし、バスに乗り込みました。
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集合写真        開会式 
 
 最初の目的地は左堰堤で、青森第二北部の菊地理事長によるため池の話や、当事務所職員による水の循環についての説明があり、児童のみなさんは熱心に話を聞いていました。
 お話が終わった後は左堰堤の生き物観察や水質調査を行いました。生き物観察では環境公共プロフェッショナルの工藤氏がたくさんの生き物を捕獲し、説明してくれました。児童のみなさんは配布された図鑑と見比べながらじっくりと観察していました。水質調査では「水温・透明度・PH・COD」の4項目を測りました。みなさんで水質調査キットの色と比色表を見比べて水質を確認していました。
 
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左堰堤での水質調査      水循環の説明

 次に向かった先は内堰頭首工です。頭首工について、青森第二北部の工藤事務局長から説明があり、その後に児童のみなさんで頭首工の操作を行いました。元気いっぱいハンドルを回し、ゲートの開閉を行い、その様子を見て「すごい」と驚いていました。ここでも生き物観察と水質調査を行いました。生き物観察ではイワナカニ等がおり、児童のみなさんは興味津々の様子で話を聞いていました。また、イワナに触りたい様子でしたが、人の体温で魚に触ると魚がやけどすると聞き、驚いていました。
 
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頭首工の開閉の様子      生きもの観察

 頭首工での生き物観察を終えた後は、分水工へと向かい、施設の役割の説明を受けました。説明の中で、分水工ができる前は水をめぐる争いがあったと聞き、児童のみなさんは水の重要性を再認識したようでした。
 最後は小用水路に移動し、アヒルレースを行いました。アヒルレースは毎年大盛況となるイベントで、児童のみなさんにとってはメインイベントのようです。それぞれがペイントを施したオモチャのアヒルと共に集合写真を撮りました。撮影が終わり、いよいよレースの開幕です。スタートの合図とともに用水路にアヒルを放し、900mの距離で順位を競いました。水路の中でも流れが様々あるようで、順位が何度も入れ替わり、手に汗握る熱戦となりました。児童のみなさんは楽しそうにアヒルへエールを送っていました。
 
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ヒルと写真撮影     激戦のアヒルレース

 アヒルレース終了後は後潟小学校へ戻り、解散式を行いました。式の中では、児童の代表が「これからは水を大切にしていきたい」と感想を述べました。校長先生や青森北部の工藤理事長から「大きくなっても後潟の豊かな自然を忘れないでほしい」とお話がありました。
 今日の学習会を通じて、改めて自分たちの住んでいる地域が豊かな自然に囲まれていることを実感したのではないでしょうか。

 今回の活動で使用した水質調査キット、移動用バスの借上げ等は「中山間ふるさと・水と土保全対策事業」を活用して水土里ネット青森北部、水土里ネット青森第二北部に支援したものです。
 青森県では、中山間地域等の農村において、地域の活性化のために活動している団体に対し、その活動に必要な物資の提供等を行っています。
 今後も、地域で行われている「ふるさとづくり」を支援していくこととしています。