平成26年9月26日に十三湖土地改良区が地元の薄市小学校5年生8名を対象に実施した「水と大地の探検隊」について紹介します。
薄市小学校は、これまで高根地区環境公共推進協議会の生き物調査に参加してきたこともあり、今回は、農業水利施設見学会に加えて高根排水機場で生き物調査や水質調査といった体験学習も行いました。
【出発式の様子】
水と大地の探検隊は、水の流れに沿ってバスで巡り、農業用水や田んぼなどについて学んでいきます。
まずは、最上流の芦野頭首工からです。
芦野頭首工は岩木川を堰止めて、田んぼへ続く水路に水を取り入れる役割を果たしています。
児童たちは、施設の役割や魚のために魚道が付いていることなど、土地改良区の方の説明を真剣に聞きながら、自分の目で確認していました。
ここで土地改良区の方から難しいクイズが出されました。
Q1 岩木川の全長は何キロメートルでしょう?
Q2 芦野頭首工が1秒間に取り入れる水の量はどのくらいでしょう?
児童たちは元気に手を上げて答えていきます。
はずれてもめげずに何度も挑戦します。
ブログをご覧のみなさんは答えが分かりますか?
【芦野頭首工】
【頭首工クイズに答える児童たち】
頭首工の次は、取り入れた水でお米を育てている武田地区の田んぼです。
武田地区の田んぼは、大きな区画に整備されていて、用水は地下のパイプラインで送られています。
田んぼへの水の入り口には自動給水栓が付いていて、おいしいお米をつくるのに大事な水の量の調節を自動で行っていることにびっくりしていました。
土地改良区の方が、水洗トイレのタンクと同じ仕組みなんだよと説明すると「分かったー」と元気な声が聞こえてきました。
【自動給水栓の説明を聞く児童】
【地面の下にパイプラインが張り巡らされています】
最後は、田んぼで使われた水が排水路を通って集まってくる高根排水機場です。
【排水機場内で説明を受ける児童】
もし、この排水機場がなければ、雨が多いときには周りの水田や住宅が水浸しになってしまうんだよと説明されると、それまで元気いっぱいだった児童たちは神妙な面持ちで聞いていました。大事な施設なんだと伝わったようです。
一通り排水機場について学んだ後は、いよいよ体験学習です。
まずは導水路の水質調査からスタート。
【パックテストで水質調査】
この場所の水は、pHがほぼ7.0と中性でしたが、COD(化学的酸素要求量)は高めのようでした。
水質調査の次は生き物調査です。
【水路に仕掛けたカゴ網を回収】
児童たちはこれを最も楽しみにしていたようです。走り回って水路に仕掛けられたカゴ網をどんどん回収していきます。
【捕獲された生き物たち】
水質調査の結果があまりよくなかったので、生き物がいるか心配していましたが、モクズガニやタモロコがたくさん獲れました。
【巨大な魚を持ち上げる児童】
こんな大きな魚も捕獲されました。児童たちは大喜びでした。
【環境公共協議会の活動で造った環境池に放流】
【薄市小学校5年生と先生】
調査後は、捕獲した生き物たちを環境池に放して今回の水と大地の探検隊は終了です。
薄市小学校の皆さん、十三湖土地改良区の皆さんお疲れさまでした。
薄市小学校では、今後も高根地区環境公共協議会の活動に参加し、環境池の観察などを続けていくそうです。
ここでは、地域の大切な資源を将来に引き継ぐ頼もしい人財が育っています。
クイズの答え
A1.岩木川の全長は102キトメートル
A2.芦野頭首工が1秒間に取り入れる水の量は、500mlペットボトル7,380本分(3.69m3/s)
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