5月17日、藤田民次郎の生涯を描いたスライドが、地元・弘前市鬼沢の自得小学校で復刻上映されました。
夕方から、鬼沢集落の住民などが少しずつ集まり始め、上映時間が近づいた頃には、約150名の老若男女が集っていました。遠くは八戸市から来た女性客も・・・。
【開演を待ちわびる観客たち】
このスライドは、鬼沢の若者たちが津軽の農民を救った民次郎の偉業を後世に伝え残そうと、今から57年前に企画製作されたものです。近年は上映されておらず、埋れたお宝となっていましたが、近年、鬼沢集落で行われている活力再生の活動の中で、このスライドが発掘され、今回の上映会につながりました。
スライドの内容は、「民次郎が農民約2千人とともに弘前城に押し寄せ、凶作や重税などに苦しむ農民の窮状を津軽藩に直訴、米の配分や免税を実現しましたが、民次郎はその首謀者として、全責任を一人で背負い、22歳で処刑された。」というものです。
午後7時、体育館の照明が落とされ、スライドの上映開始。
スライドに合わせて、袴姿の三上晴佳さんの語りが始まりました。信念を貫き、命を懸ける。民次郎の苛烈な生きざまを心から語る。心揺さぶられるものがありました。
【渡辺源四郎商店俳優 三上さんの語り】
また、鳴海達也さんが奏でる囃子が、叙情溢れる語りを一層もの悲しくさせていました。観客一同、あたかも民次郎と一緒に戦っているような感じを覚えるほどで、思わず引き込まれてしまいました。
体育館では、すすり泣く声が小さく響いていました。
鬼沢の会では、NPO法人あおもりふるさと再生機構の協力を得ながら、鬼沢を元気にしていく活動に取組んでおり、今後、津軽ふるさと創生劇「鬼と民次郎」の再演や「鬼と民次郎」ゆかりの地をめぐるツアーが予定されているそうです。
このような地域活動は、まさに環境公共が目指す方向性『地域力の再生』の手本になるとの印象を受けました。
今、鬼沢周辺の水田では代かきが行われ、田植えの準備が進んでいます。また、りんご畑では、りんごの花が可憐に咲いていました。
【県営鬼楢地区ほ場整備事業(H10~15)】
本年も豊作を願いつつ、スライド上映会の報告でした。
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