十和田市法量地区で分水された「稲生川」は、故新渡戸傳ら多くの先人達の努力によって掘削された長いトンネルを通って、三本木原台地を流れます。
稲生川は、上流部では効率的に水を流すために流れが速いですが、市街地では川幅が広がり、ゆったりとした流れに変わります。
稲生川の水は、農業用水としてばかりでなく、防火や衛生、そして景観形成のための水としても利用されてきました。
三本木原台地開拓の歴史は、親子三代に渡る業績を残した新渡戸家抜きに語ることはできません。
さて、三本木原台地の田んぼを潤すために分水された稲生川の水は、支線用水路を通り、市の中心部にある官庁街通りも流れます。
官庁街通りは、「日本の道百選」にも選定されたとても景観の良い道路で、春には道路沿いに植えられた桜と、稲生川から流れるせせらぎが、市民に癒しの場を提供しています。
また、市中心部の稲生川沿いには、「稲生川ふれあい公園」が整備されています。
公園内のせせらぎには稲生川のきれいな水が流れ、せせらぎ沿いに整備された散策道を多くの市民が散歩に訪れます。
ふれあい公園の下流部に、稲生川沿いの町内会の方が設置した水車がありました。
町内会では水車で引き入れた水を利用して、公園内でお米を作っています。
十和田湖から流れてきたきれいな水を使ったお米は、きっとおいしいことでしょう。
出来秋が楽しみですね。
環境公共学会ホームページはこちら