あおもりの農と食を体感「あおもりの農を学ぶバスツアー」

 去る1030日、農業農村整備事業の役割や内容などを、広く一般県民に対して普及啓発することを目的に「あおもりの農を学ぶバスツアー」が開催されました。
 「あおもり農村整備広報委員会」が主催した今回のバスツアーは、これまでにない初の試みとして、家庭の食卓を担い、食に関する関心や興味が高いと思われる青森市内のスーパーを利用する女性客のみが参加したイベントでした。
 
 最初の見学先は、外ヶ浜町にある「おぐにふるさと体験館」です。
 ここでは、上小国ファームの工藤事務局長から「ほ場整備事業」と「農事組合法人上小国ファーム」における六次産業化の取組を学びました。
 
 会場へ到着すると、テーブルには同ファームが地元産の米粉を使って加工・販売しているスイーツが用意されており、それを試食しながら、ほ場整備事業の重要性や六次産業化の取組を聞きました。
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 説明終了後には、私を含め、興味を持った大勢の参加者が米粉を使ったうどんやカレーのルゥなどを買い求め、展示販売所は大盛況でした。
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 次の見学先は、中泊町にある「内潟寮護園」です。
 ここでは、転作作物を利用したバイオマスの取組を学ぶとともに、ひまわりの種を使った搾油体験として、種の投入~油の瓶詰~ラベリングまでの一連の作業を体験しました。
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 体験用に作ったひまわり油入りの小瓶は、バスツアー参加の記念品として、参加者全員にプレゼントされました。
 
 搾油体験後は、コレステロールや血圧が気になる人に効果があるとされる「ひまわり油」と動脈硬化やアレルギー性疾患などに効果があるとされる「なたね油」の味比べもしました。
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 左側のお皿が「ひまわり油」で、右側が「なたね油」です。
 試食してみた感じは、ひまわり油の方が癖が少なく、淡泊な味で食べやすく感じました。
 成田主任から「美容」と「健康」にも効果があるとの説明があったせいか、ここでも多くの方がお気に入りの油を買い求めていました。
 
 次の見学先は「十三湖土地改良区」です。
 ここでは、土地改良区の役割と十三湖土地改良区の取組を学びました。
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 予定時間を過ぎていたため、昼食を取りながらの説明でした。
 お昼ご飯は、太宰治が好んだとされる津軽の郷土料理の弁当「津軽」と十三湖名産の「しじみ貝汁」です。
 
 今回のバスツアーは参加費が無料のため、もちろん昼食代もタダです。
 地元の食材を堪能しながら、土地改良区が農業水利施設を維持管理している団体であることなど、農業農村整備に関する知識もしっかり頭に入れました。
 
 さて、お腹も十分満たされたところで、つがる市にある「屏風山揚水機場」へと向かいました。
 ここでは、地域の重要な河川である山田川から取水した水を畑地へと供給するため、農業農村整備事業により整備された揚水機場の役割が紹介されました。
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 昼食後で眠くなる時間帯にも関わらず、真剣な眼差しで説明に耳を傾けていました。
 
 次は、つがる市の屏風山地区で、食後の軽い運動を兼ねた収穫体験です。
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 時折、小雨が降るなかでの収穫体験となりましたが、みんな満面の笑みを浮かべながら、大根掘りに夢中です。
 
 ここで、休憩も兼ねた隠しイベントとして「スコップ三味線快館」に立ち寄りました。
 ちなみに、スコップ三味線とは、青森県五所川原市在住の舘岡屏風山氏により命名されたスコップと栓抜きを使った手技芸で、世界大会も開催されています。
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 舘岡氏の軽快で愉快な津軽弁トークと見事なスコップ三味線の手さばきに、笑いと驚嘆の声で会場が包まれました。
 みなさん大満足で、完全にリフレッシュできました。
 
 そして、あっという間に最後の見学先、五所川原市の「長橋ため池」へと到着です。
 ここでは、今話題の再生可能エネルギーの取組の一つとして、農業水利施設を利用した小水力発電事業が紹介されました。
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 写真の右側にある長橋ため池の水を利用して、左側に見える施設で発電します。
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 これは発電施設の全景で、エネルギーの地産地消による農業水利施設の維持管理費の節減や低炭素社会の実現などを目的に設置したそうです。
 テレビなどで連日のように取り上げられているせいか、施設構造や建設コストなどに関する質問が次々と出され、再生可能エネルギーに対する関心の高さを感じました。
 
 帰りのバスでは、あおもりの農と食の体感を通じて“農業農村整備事業について理解できた”とか“是非来年も開催してほしい”といった声が多くありました。
 次年度以降の開催については未定のようですが、今回のバスツアーが少しでも農業農村整備事業の円滑な推進と農業農村の振興につながればと願っています。
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 今回参加されたみなさま、大変お疲れ様でした。また、ツアーを企画していただきましたあおもり農村整備広報委員会のみなさまをはじめ、開催に当たりご協力いただきました関係機関のみなさま、どうもありがとうございました。
 
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